キャナルシティの夜②


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写真を撮っている時に、聴き覚えのある曲とともに眼下の馬車のイルミネーション近くから噴水が勢い良く吹き上がった。

曲は、ホルストの『惑星』。姉に抽選に遅れるとせかされてその場を去った時は、ジュピターが流れていた。

さて、抽選場所に着いたはいいが、長蛇の列! それを見た途端、計算の早い姉の腹は決まったらしい。

「ねえ、抽選したい?」 と、姉が聞いてくる。
「別に、してもしなくてもいいけど……」 という私の返事を聞いたか聞かないかのうちに、姉はUターンして、エスカレーターへ向かっていた。

私の手には4回分の抽選券と2枚の抽選補助券があった。
「これどうする? もったいないよ。誰かにあげようか?」
と私。
「あ、あそこの少年にあげよう!」
と、姉が目ざとく見つけた男の子に、私が声をかける。
「ぼく、これいる?」
初めキョトンとしていた少年もそれが抽選券と分かると、
「いるいる!」
と勢い良く答えた。
「ちゃんと当選してね~」
と走り去る女二人。かなり怪しい。しかも、姉が見つけた少年は、何気にかわいかったりする。恐るべし姉。

駐車場近くの精算機に姉がチケットを通したのは九時二分。駐車券を取ったのは八時三分。

「抽選して何も当たらない上に駐車料金も取られるなんてやだもんね~」
「……それで抽選するかどうか聞いたのね」
相変わらず姉の損得勘定は早い。目にも止まらぬ早さだ。脱帽。
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